今治市民会館 丹下健三と今治(3)

今治市の中心部に建つ今治市民会館は、今治市庁舎今治市公会堂と共にコの字型に配置され、都市広場を形作っています。この市民会館を設計したのも、今治市庁舎・公会堂と同じ丹下健三。市民会館は、市庁舎・公会堂が建てられて約7年後の1965年(昭和40年)に建てられました。


外から見ると、コンクリート打放しのせり出す屋根庇が特徴的です。その下にスッと縦に切られた方立と、そこに割り付けられたリズミカルなサッシもシャープな表情。

このサッシ(窓枠)が鬼のディテール!なので近くでよく見てください。サッシがコンクリートを削って納められています。この細やかな仕事が、端正な表情を生み出しているんですね。

2階には大会議室が配置され、イベントや会議・研修など多目的に利用されています。ガラス窓の奥には今治市公会堂が見えますね。


1階のサッシ廻り。スチールと石とのぶつかり合い(納まり)。


最後に、「今治ホホホ座」が今治市民会館を会場に2017年11月に行ったイベント、その名も「ぼくらの市民会館」。その映像がとてもステキだったのでご紹介いたします。夜の様子からはこの建築の透明性(ガラスによる表情)もまたよく分かりますね。



今治市民会館

  • 設計:丹下健三
  • 所在地: 愛媛県今治市別宮1-4-1
  • 構造:鉄筋コンクリート造
  • 竣工:1965年

えひめ建築めぐり

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