今治市公会堂 丹下健三と今治(2)

前回の記事では、今治にある”丹下建築”の一つとして「今治市庁舎」を取り上げましたが、今治市公会堂は、今治市庁舎と向かい合う多目的ホールです。

今治市公会堂では、当時の新しい構造形式であった折板構造が採用されています。折板構造とは、壁などの面をジグザグに折り曲げることで強度を増す構造形式のこと。例えば一枚の紙でも、ジグザグに折り曲げることで屏風のように自立させることが可能になりますが、今治市公会堂ではこの考え方を応用し、コンサート等にも使用できるような大空間を成立させるとともに、その特徴がそのまま、リズミカルで存在感のある壁面の造形としても表わされています。ここには構造と意匠とを兼ね備えた構造美をみてとることができます。


2013年には前年から行われた改修工事が完了し、耐震化や音響・空調設備の改修、母子鑑賞室の新設、座席幅の拡張などが施されました。



  • 設計:丹下健三(東京大学 丹下健三計画研究室・坪井善勝研究室)
  • 所在地:愛媛県今治市別宮1-4-1
  • 主要用途:公会堂
  • 構造:鉄筋コンクリート造
  • 階数:地上2階
  • 竣工:1958年
  • 延床面積:2,271㎡

※別のブログに投稿した記事を加筆・修正し再構成しています。

えひめ建築めぐり

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