今治市営スポーツパーク テニスコートハウス

今治市新都市にある市営のスポーツパークをご紹介します。

2017年のえひめ国体のソフトテニス会場に向けて新設されたテニスコートです。

また、テニスコートだけではなくFC今治の本拠地「夢スタジアム」も同敷地内にあり、近隣には2016年にオープンしたイオンモール今治新都市もあります。

国家戦略特別区域に指定され大開発されてる今治市内の一部です。


恥ずかしながら、この建物の存在を知らず、話は会社の上司が息子のテニスの試合を見に行った公園の建物がすごかったというところから始まります。

筆者が訪れた際も高校生のテニスの試合(大会?)が行われていました。

訪れてのまず印象的なのは建物が持ち上げられ一階部分はほどよい高さのピロティになっていること。そして持ち上げられたコンクリートの建物を支えているスチールの柱がめちゃくちゃ細い!

水平連続窓など近代建築の巨匠ル・コルビュジエが提唱した近代建築の原則が巧みに盛り込まれていることが瞬時に伝わってきます!

とテンションが上がる筆者を横目に近代建築云々つゆ知らず、高校生たちは建物の下でお弁当を食べたり、おしゃべりしたりと休憩できる場所になっていました。

高校生が試合をしている傍らでニヤニヤしながら写真を撮りまくるおじさんは怪しく見えたでしょう・・・

建物の内部の連続水平窓は透明感のあるデザインに。

この開口の多さは試合観戦できるようになっている為のものでもあります。

建物とコートは写真のような位置関係です。

空調の効いた屋内では父兄が応援をしたり、おしゃべりをしたりすることができます。夏の炎天下に誰でも安心して試合観戦ができるバリアフリーなデザインです。


本来は全面開口でもっと透明感がある建物に感じると思うのですが、冷暖房の効率か、覗き見の防止かはわかりませんが、多くのガラス部分には中空パネルが設置されていました。

こんな愛媛県ならではのパネルも。


休憩できるピロティ空間、コートまでのアクセスや、各室の動線などしっかりと解決しながら、透明感や浮遊感も感じさせるシャープでキレイな建築でした。

後日、建物の設計などを調べると、設計者の設計趣旨など学会で発表された資料をインターネット上で発見しました。

趣旨等はこちらに詳しく書いていますし、なにより写真が最高です。

設計趣旨がそのまま使われ方に反映されており、写真が設計趣旨を物語っています。


今治市営スポーツパーク テニスコートハウス

  • 設計:大橋航(石本建築事務所)
  • 所在地:愛媛県今治市高橋ふれあいの丘1-1
  • 構造:鉄筋コンクリート一部鉄骨造
  • 竣工:2014年



えひめ建築めぐり

愛媛・松山を中心に、グッとくる建築や街並み、街の活動などを紹介します。 運営:瀬戸内アーキテクチャーネットワーク

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