愛媛県武道館

愛媛県武道館は2003年に松山中央公園の一角に建てられました。以前、松山市道後姫塚にあった旧武道館から建替えられたものです。石積みの基壇の上に構える姿はさながら現代の城のようで、その外観からは愛媛県が力を入れたプロジェクトであったことが容易に想像されます。

2017年のえひめ国体では柔道などの会場として使用されました。


主道場の競技面は約40×60m。2900席を超える観客席があり、武道のほか各種スポーツ、コンサートなどのイベントにも利用されています。

このダイナミックな空間の大屋根を支えるのは、集成材とスチールを組み合わせた木質のハイブリッドトラス。 木材をふんだんに用いながらも、現代の技術が大空間の成立を支えています。

武道館に入ると正面に現れるのが巨大な菊間瓦の鬼瓦、そして砥部焼の大鉢。

基壇に使われている大島石。

そのほかにも、構造用木材には伊予の杉が用いられ、屋根瓦には菊間瓦、床タイルには砥部焼と、愛媛の県産材が積極的に利用されています。愛媛の多種多様な伝統工芸や県産材に触れることのできるいわば”博物館のような武道館”ともいえそうです。


愛媛県武道館

  • 設計:愛媛県土木部道路都市局建築住宅課+石本建築事務所
  • 所在地:愛媛県松山市市坪西町551
  • 主要用途:武道館
  • 構造:木造、一部鉄筋コンクリート造
  • 階数:地上2階、地下1階
  • 竣工:2003年7月
  • 延床面積:17,473.75㎡

公式webサイト http://www.ehimekenbudoukan.or.jp

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