愛媛県庁舎 木子七郎と松山(4)

愛媛・松山には、宮廷建築家として活躍した名門 木子家に生まれた在阪の建築家、木子七郎が設計を行ったいくつかの建築が現存しています。松山に現存する4つの建築のなかで最後に紹介するのは、重要文化財に指定された洋館・萬翠荘のすぐ近くにある「愛媛県庁舎」です。

現在の愛媛県庁舎は”4代目”として昭和4年に竣工し、現役の都道府県庁舎としては全国で3番目に古い、歴史的に貴重な建物です。

ドームを中心に左右対称の平面形状を持ち、扉やアーチ窓の周りなど、いたるところに細やかな装飾が施されています。

御影石を用いた外壁や左右対称で均整の取れたプロポーションからは、西洋の洋式主義的な建築を思わせます。建築の内外に施された様々な装飾も見所のひとつで、扉やアーチ窓の周りなどには、細やかな彫刻が施されています。ステンドグラスや、ドームへ至る艶かしい螺旋階段も見逃せません。このような細かな仕事からは、建設に際して多くの優れた職人が携わっていることを想像させます。

2階 入口・廊下。愛媛県庁舎(本館)は4階建の建築物ですが、正面から入ったところが2階にあたります。

4階 正庁の天井。叙勲などの式典はここで行われます。細かい装飾がビッシリ。

4階 会議室。県庁の最上階、中央のドームの下にあるのがこの会議室です。新たに天井材が張られていますが、この天井を取り除けば、オリジナルのドーム型の天井が現れるのでしょうか…?


えひめ建築めぐり

愛媛・松山を中心に、グッとくる建築や街並み、街の活動などを紹介します。 運営:瀬戸内アーキテクチャーネットワーク

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